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690年 庚寅年籍を作成する [年号のゴロ合わせ]

645年に起こった乙巳の変ののち、大化改新が始まることは以前に述べました。
その基本方針が、大化二年(646年)正月に発表されます。
「改新の詔(かいしんのみことのり)」です。
このときの天皇は孝徳天皇で、都は難波宮(なにわのみや)ですからね、覚えておきましょう。



では、史料を見ていきましょう。

其の一に曰(のたまわ)く、「昔在(むかし)の天皇等(ら)の立てたまへる〔1   〕の民、処々(ところどころ)の〔2   〕、及び、別(こと)には臣(おみ)・連(むらじ)・伴造(とものみやつこ)・国造(くにのみやつこ)・村首(むらのおびと)の所有(たもて)る〔3   〕の民、処々の〔4   〕を罷(や)めよ。仍(よ)りて〔5   〕を大夫(まえつきみ)より以上に賜ふこと、各(おのおの)差あらむ(おのおのの地位に応じて給付するということ)。」
其の二に曰く、「初めて京師(みさと、このときは〔6   〕のこと)を修め、畿内・国司・郡司・関塞(せきそこ、関所のこと)・斥候(うかみ、北辺の監視要員のこと)・防人・駅馬(はゆま)・伝馬(つたわりうま、公的な伝達・輸送に用いられる馬のこと)を置き、及び〔7   〕を造り、山河(地方の境界のこと)を定めよ。」
其の三に曰く、「初めて〔8   〕・〔9   〕・〔10   〕の法を造れ。」
其の四に曰く、「旧(もと)の賦役(えつき、貢納・労働のこと)を罷めて、田の調(みつき、一定基準で田地に賦課する税)を行へ。(中略)別(こと)に戸別の調を収(と)れ。」

この史料の出典は『日本書紀』です。
さぁ、空欄に入る語句は書けますか?

1…子代(1~4については、古墳時代(5)のまとめプリントを参考にしてください)
2…屯倉
3…部曲
4…田荘
5…食封(じきふ、豪族の田荘・部曲の廃止にともない、大夫以上の役人に支給されることとなった給与)
6…難波宮
7…鈴契(すずしるし、駅馬・伝馬を利用する際の証明となる駅鈴(えきれい)と木契(もっけい)のこと)
8…戸籍
9…計帳
10…班田収授

第一条では公地公民制、第二条では地方制度、第三条では班田収授、第四条では税制について書かれています。
詳しい説明は後日のまとめプリントに譲るとして、今日は第三条にある戸籍の作成を取りあげます。
戸籍とは、人民登録、班田収授・氏姓確認の基本台帳です。

ところで、日本で初めて作成された戸籍は何という名前か覚えていますか?

670年に天智天皇が作成させた庚午年籍(こうごねんじゃく)です。
永久保存が命じられましたが、残念ながら現存はしていません。

では、次に作成された戸籍は何という名前でしたか?

690年に天智天皇の娘である持統天皇が作成させた庚寅年籍(こういんねんじゃく)ですね。
こちらも現存していません。

庚午年籍と庚寅年籍、いずれも「庚」という漢字がついています。
次に続くのは「午」と「寅」…
これ、何か分かりますか?
年賀状でおなじみの十二支です。
十二支とは、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」のことですよね。

実は、これにかけあわさる「十干(じっかん)」というものがあります。
「甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)」です。
これらを表にすると、
十干十二支1.jpg
こうなります。

では、十干と十二支を順番にかけあわせていきましょう。
まずは十干の1番目「甲」と、十二支の1番目「子」で「甲子(こうし)」。
つぎは十干の2番目「乙」と、十二支の2番目「丑」で「乙丑(いっちゅう)」。

順番にかけあわせていくと、「ん?」と思いませんか??
十干十二支2.jpg
そう、1番目の組み合わせは「甲子」…この年に甲子園球場はできました、1924年のことです。
5番目の組み合わせは「戊辰」…戊辰戦争が起こったのは1868年、戊辰の年のことです。
7番目の組み合わせこそが「庚午」…庚午年籍が作成された670年です。

十干十二支を一覧にしてみると…
十干十二支3.jpg
こうなります。

さぁ…知っている組み合わせはどれだけありますか?
辛卯の年の「辛卯」、乙巳の変の「乙巳」、壬申の乱の「壬申」、甲午農民戦争の「甲午」、色々ありますよね。
組み合わせは全部で60通りです。
なお、「甲子」の年に生まれた人が、再び「甲子」の年にめぐりあうのは60年後。
なので、暦(こよみ)が一周した60年目をお祝いするのが「還暦」です。

690.jpg

庚午年籍と庚寅年籍、いずれも十干は「庚」ですからね。
前者は670年作成、後者は690年作成です。
なお、庚寅年籍以降、戸籍は6年ごとに作成する「六年一造」の体制が整ったようです。

それでは、今日のゴロ合わせ。

690年.jpg

1回目の戸籍作成は午年、2回目の戸籍作成は寅年ですからね、間違えないようにイラストで覚えて下さい。



次回も持統天皇を取りあげます。
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